其の22 2016年7月

  中標津町地域おこし協力隊親松です。
 今回は北方四島ビザなし交流のお話です。もう1人の協力隊である小池協力隊員とともに2回に渡りご紹介していきます。
 神奈川県に住んでいたころは、さほど意識すらしていなかった北方領土。中標津町に移住し開陽台を訪れたとき、自分の目ではっきりと見える国後島を見て「北方領土」を意識するようになりました。そんな中、北方四島交流訪問事業(通称「ビザなし交流」)に参加する機会をいただき5月20日~23日に色丹島・国後島へ行ってきました。
 国後島に生息する熊笹やフキ、白樺の木々は道東を思わせる景色でありなが
ら、島にある建物や看板、流れる音楽や言葉は北海道とは全く異なっていて
不思議な思いがしました。1日目は穴澗(あなま)消防署、穴澗小学校を見学、お人形のような可愛らしい子供たちの踊りによる歓迎を受け、その後はホームビジット(家庭訪問)。
 私がお世話になったお宅は3世帯が暮らすお家で、お邪魔させていただくと
テーブルいっぱいに並べられた手作り料理でもてなしてくれました。奥さんは
昨年町立中標津病院で治療を受け、その時は大変お世話になったと笑顔でおっ
しゃっていました。
 言葉は通じないながらも、共通で理解できる自動車の“トヨタ”“いすず”
の話しや、辞書を片手にジェスチャーで会話をし、ここには領土問題が存在し
ないかのような笑いが溢れる温かい時間を過ごしました。
 北方領土占領から70年が経ち、島にはたくさんの子供たちが産まれ、故郷となりつつあります。でもそこは日本の固有の領土です。
 どうか1人でも多くの人に、特に若い方にこの現状を知ってもらえるように、私ができる神奈川の友人知人などにお話をしていこうと思います。ビザ無し交流2日目のお話は次の回で小池隊員にバトンタッチします。
 さて、私、親松ですが、中標津町に移住して丸2年が経ちました。観光振興のお仕事に携わり、辛いときも寂しいときもありましたが、たくさんの方々に助けられ様々な経験をさせていただき、全力疾走してきました。
 そして、7月からは地域おこし協力隊という身分ではなく、1人の町民として観光振興に携わっていきますので、「地域おこし協力隊が行く!」への私の掲載は今回で最後となります。
 大好きな北海道、大好きな中標津町。これからも中標津町の観光振興のため頑張っていきますので、今後ともどうぞよろしく願いします。
中標津町地域おこし協力隊 親松 麻子(おやまつ あさこ)