其の21 2016年6月

 中標津町は北海道内でも有数の酪農地域です。長かった冬を越えてこれからの季節は様々な場所で放牧風景を見ることができ、牛好きの私にとって心待ちにしていた季節となりました。
 移住をした当初は放牧風景を見ているだけで癒されていましたが、酪農家さんと知り合う機会が増え、お話をしていくにつれて酪農をもっと知りたい!もっと牛と触れ合いたい!という気持ちが強くなりました。
 そんな願いが叶い、先日、酪農体験をさせていただきました。子牛の哺乳、
えさやり、牛舎の掃除、寝藁の交換、搾乳、最後にミルカ―の掃除まで。未
経験の私を快く受け入れてくださった酪農家さんには本当に感謝しています。
 牛は飼い主の顔を覚えているので牛舎に近づくとモーモーと鳴き、寄って
来る光景を見て羨ましくなりました。しかし、よそ者の私も牛舎へ入ると「この人は誰だ?」と興味津々の牛たちが寄って来たのがとても嬉しかったです。
 そして念願だったトラクターの試乗もさせてもらいました。冬の除雪車体験の時もそうでしたが、まず運転席からの高さに驚き、これから草の収穫時期になるとあたり一面緑が広がり、見上げたら青空という絶景の中で運転をしていると想像するだけで羨ましく思いました。
 今後、自分の将来の中で何かの役に立ちたいという思いから、トラクターの免許を取得しようと密かに思っています。
 酪農作業のすべてではありませんが、一つ一つの作業をしているのが楽しくて幸せな時間でした。慣れない作業で翌日には筋肉痛になってしまいましたが、この作業に加えて畑作業や何頭もいる牛の健康管理などを365日休まず行っている酪農家さんを本当に尊敬します。
 私たちが普段、牛乳や乳製品を安全に美味しく食べることができるのは、その裏側で酪農家さんの想いや苦労がたくさんあることを、この体験を通じて改めて実感することができました。
中標津町地域おこし協力隊 小池 瞳(こいけ ひとみ)
(役場経済振興課内)