其の19 2016年4月

 早いもので、中標津町に移住してから半年が経ちました。そして、北海道で過ごす初めての冬がやってきました。
 道東地方は北海道の中でも雪が少ない地域で、今年の冬は「去年と比べると積雪が少ない」という話をよく耳にしますが、私にとっては少しの積雪でも本当に苦労をしました。自宅の駐車場は、吹雪が過ぎ去った翌日には見事な吹き溜まりになっていて、いつも車が雪に埋もれてしまいます。人生で初めての雪かきでは、今まで経験したことがないので、やり方が正しいのか分からないまま一人でひたすら何時間も雪かきをしました。途中で心が折れそうになったり、誰かに頼りたい気持ちになったりと、本当に大変な思いをしましたが、このような厳しい環境の中で昔から生活されている皆さんの凄さを感じました。
 大雪が降ると大活躍するのが除雪車です。先日とても大きな除雪車に乗せてもらい、作業に同行しました。座ってみてまず驚いたのは目線の高さです。高い視点から周囲の状況と安全を確認できますが、逆に車体に近い部分の安全も確認しなければならないので、運転手の方は大変気を使っているようでした。
 道路にたくさん積もった雪を勢いよく路肩へ寄せて、風によって舞う雪で視界が悪くなってもぐんぐん突き進むかっこよさに子どものように大興奮してしまいました。除雪には方法があり、道路に面している家の前のほか、砂利道、交差点でも作業の仕方が異なるそうです。除雪業者さんは私たちが朝の通勤、通学が安全にできるように、夜中のうちに作業しているというお話を聞きました。そのおかげで冬道でも安全に運転ができ、快適な暮らしを送ることができていることを実感しました。
 北海道の厳しい冬、大変なことばかりではありません。雪が降った後のきれいな景色を眺めながらのスノーシュー体験もしました。格子状防風林の中を歩いて、動物の可愛い足跡を見つけたり、エゾリスに出会えたりと、山中のフカフカの雪の上を一歩ずつ踏みしめながら歩くのは、運動不足になりがちな私にとっては健康にも良く気軽に楽しめるスポーツです。
 みなさんも機会がありましたら是非体験してください!
中標津町地域おこし協力隊 小池 瞳(こいけ ひとみ)
(役場経済振興課内)