其の11 2015年4月

 先日、東京秋葉原で2日間かけて20社以上のメディアと旅行会社との商談会がありました。

 別海町さんとの合同でしたので、中標津町PRは一部でしたが、メディアや旅行会社が「道東」そして「中標津町」をどう思っているのかを改めて知る良い機会になりました。

商談会でよく聞かれたこと・よく耳にした言葉?
・ 世の中の旅行好きは有名観光地には行き飽きてきており、新たな観光地を探している。
・ 秘境の道東は気になっているが、情報が少なく初めて行くには勇気がいり、入りづらい…。
・「 中標津町」の名前を知っている人は多かったが、空港の存在を知らない人もいた。
・ 宿泊施設が充実していること、温泉があること、食べ物が美味しいことも知らない。

 PRするに当たり、野付半島の凍った海の写真やパンフレットの牧草地の写真を見せると、だれもが驚き、感動しました。道東に当たり前にある美しい景色をまだ知らない人が多くいます。「遠くの海外より近くの日本だ!」と言いたかった(泣)
情報発信は私の仕事。まだまだです。

 今観光客が求めている事は、実際に自分の目で見て、自分の手で触って「体験する」こと、また地元の人たちと一緒に体験しながらお話をして「交流する」ことです。ただ観光地をせわしなく見て回るだけの観光はもう古い!との声も聞かれます。
 先日、友人が中標津へ遊びにきた時のお話ですが、旅行中は天気が悪く、周辺地域や中標津の美しい景色を見せることができませんでした。

 そこで急遽、いつも仕事でお世話になっている「畜産食品加工研修センター」へ、加工現場や熟成庫を見せていただけないかと無理を承知でお願いをしました。皆さんお仕事があるにも関わらず、快く承諾していただき、センターの職員さんからもチーズのお話を聞くことができました。

 帰り際に何が一番楽しかったかと聞くと、チーズの熟成庫を初めて見ることができたこと、そしてなにより、突然の訪問にも関わらず暖かく迎え入れてくれ、チーズ職人さんとお話をできたことが一番楽しかったと言っていました。見て、触って「体験」し、地元の人にお話を聞いて「交流」する。そういったものを、旅する人が旅先で求めているのだと感じました。

 私も中標津に来てもうすぐ10ヶ月、何気なく通過した道路から見える綺麗にまっすぐ配列された防風林、突然現れる鹿やキツネ、飲み屋さんに行くと気軽に声をかけて仲良くなってしまうおじ様たち、どんなに雪が積もっても吹雪いても何もなかったかのように定刻通り席に座って仕事をする凛々しい中標津の人々、アパートの住人全員で行う雪かき、おすそ分けの野菜や魚、搾りたての牛乳!その辺で採れる山菜、こんなにも「豊か」なことはありません!こんな中標津でのごく当たり前の日常が、私は大好きです!

 特別なものを作る必要もなく、特別扱いしたり、着飾ったりする必要もなく、ここでの日常をお客さんに見せて、「いいでしょう?」と自慢してあげてください!

 そして今後、今ある中標津の当たり前の出来事(素材)を上手にお客様へ「体験」×「交流」させてあげられるように、常にアンテナを張って活動していきたいと思います。
中標津町地域おこし協力隊 親松 麻子(おやまつ  あさこ)
(役場経済振興課内)