エゾシカ有効活用の取り組みについて(MATAGIプロジェクト)

 中標津町では、農業被害防止を目的としてエゾシカの捕獲事業に取り組んでいます。
 牧草やデントコーン、馬鈴薯などの農作物にエゾシカが与える被害は年間約9千万円。この様な農業被害を防止すべく、中標津町では地元のハンターの協力を得て、令和5年度には5~10月に約950頭を捕獲しています。
 捕獲したエゾシカは、地元の施設にて食肉やペットフードに加工されます。
 しかしそれでも、残った骨や皮などの残滓(ざんし)は、年間で20t超にも及びます。

H30年7月に行われた、エゾシカ皮有効活用の勉強会の様子。

環境への配慮、そして自然からもらった“いのち”を最大限に生かすために、関連団体が協力して発足した獣皮活用促進プロジェクト「MATAGIプロジェクト」。
中標津町もMATAGIプロジェクトと連携して、捕獲されたエゾシカ皮の有効活用に取り組んでいます。
 なめしたシカ革は、牛や豚革と比較すると軽くしなやかで、肌触りの良さが特徴です。豊かな森林と牧野に囲まれた中標津で獲れたエゾシカは、皮も厚みがあって強度も十分。
 MATAGIプロジェクトでは、メーカーと共同で、中標津産レザーを使った製品を試作開発中です。
 令和5年11月には、中標津町総合文化会館ロビーにて、エゾシカの有効活用をPRするイベント「エゾシカフェスティバル(シカフェス)」が開催されています。
 MATAGIプロジェクトに直接関わる団体のほか、エゾシカの有効活用に興味を持つ地域の団体も参加し、のべ300~400人が来場しました。
 陸上資源の効果的な活用は、2015年に国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」のうちの一つです。自然豊かな中標津に生息するエゾシカ達を計画的に管理し、残された肉や皮を出来る限り有効に活用することは、自然と共に生きる私達の大切な役割です。
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