Nakashibetsu Municipal folk Museum

中標津町在住の西村穣さんの植物コラム。

道端の野菜

番外編 ウチダザリガニ

ハッカ小川の岸付近を小さな網で探っていると小さなザリガニが入る。何匹かを持って帰り水槽に入れるのだが、何日かすると飽きてしまい水も取り替え忘れ、気がつくと水槽は空になっていた。

かつて裏摩周の展望台から摩周湖へ降りることができた時代があり、何度も行った記憶がある。最後は高校時代だったろうか?その中の1回にザリガニ獲りをしたことがあった。10㎝以上はある大型で、手を差し伸べるとはさみを振りかざす挑戦的なやつだったのを覚えている。たくさん捕れたので煮て食べていた父に勧められたが、子供心になんとなく気持ちが悪く遠慮した。

前者はニホンザリガニで、川の上流域や山間の湖沼の、水温の低いきれいな水に生息し、おもに広葉樹の落葉を食べる、とある。絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト 絶滅の危険が増大している種)に指定されている貴重な生物である。今でもあの小川に生息しているのだろうか。

一方、後者はウチダザリガニで名前は北大の内田先生から。
こちらは日本生態学会が定めた「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されていて、春取湖や阿寒湖では本格的な駆除を行っています。摩周湖のザリガニは1930年にニジマスの餌として475尾が放流という記録がある、ふ~ん。ちなみにニジマスはランク上の「世界の侵略的外来種ワースト100」に名を連ねておりますね。

 世界的には食材利用も多く、北米やヨーロッパでは煮たり、焼いたりして食べられている。フランス料理ではエクルビスと呼ばれる一般的な食材で、ソテーやスープなどにし、美味しいんだそうです。形はエビでハサミはカニのようなとこからザリガニはエビとカニの中間的存在らしく、オマールエビやロブスターは海ザリガニで、ウチダザリガニは淡水系という違いで、同じ仲間ですよ。ザリガニは美味しいのですね。道内でも、釧路市阿寒湖漁協ではウチダザリガニをレイクロブスターの名でスープやチップスで売っている。どんどん食べましょう。

以前、本町のお祭りでザリガニ釣りを出店した事があり、売れ残ったら塩煮にして売ることもあるかもしれないので、食べてみようということになった。多少、恐る恐るという感じではあったが結果は、ハサミは淡白でおいしいが胴体は泥臭かったのが実感。そう思うとたぶん摩周湖のはおいしいのではないでしょうか。天皇陛下にも献上したという記録があるくらいですからいけるのでしょう、きっと。
食べておくのでした・・・。


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