中標津町の「格子状防風林」を含む農村景観や酪農景観は、全国に誇るべき景観です。
町役場と私たちは、昨年度から2年にわたり地域の方々や専門家の協力を得ながら、文化庁のモデル事業である「文化的景観の保存活用事業」に取り組みました。
文化的景観とは「地域における人々の生活や生業が作り上げた景観を文化財として捉える」新しい枠組みです。しかも、今までのような凍結保存ではなく「有機的に進化する景観」として捉えるものです。
中標津町でこの取り組みを行なうことは「基幹産業である酪農を、より豊かな歴史ある生業へと導くこと」となり、地域らしい豊かさを持って暮らし続けるとことにつながります。
この事業では、農業や林業の歴史や自然調査などの学術的な調査が中心でしたが、他には協働ワークショップや景観ツアーなど、地域の協力で進むことが出来たことも多くありました。文化庁のモデル事業は3月末で終了しますが、来年度は町としてこの取り組みを続けることになり、更に多くの皆さんのご協力をお願いすることになりそうです。その節は、よろしくお願いします。
(NPO法人景観ネットワーク 東田秀美)