私は、春から夏にかけてワラビやコゴミなどのシダ類の葉が、なんともいえないすばらしい光を放って輝いているのを見るのがとても好きです。ですから私はそれらを食するというような感覚はあまり持ち合わせておりません。
ワラビのちょっと不思議なお話。
ある年のこと、とある場所にワラビを見に行ったのですが、そこには何とワラビが一本もないのです。少し前に私が来たときには、もう食するには遅すぎるほど育っていたはずなのに・・・。
ほんの一坪程度の場所ですが、それ以来、なぜかそこだけが他の場所よりも遅く芽を出すようになったのです。今年もそこだけは7月の声を聞いても一本の芽すら出していません。昨年は確か7月の半ば頃になってようやく芽を出したように思います。
なぜそこだけ芽を出すのが遅くなったのでしょうか。
自然の中で見る植物の姿は、私達を感動させる"大きな力"を持っていると思います。
(中標津町文化財保護審議委員 小木英彦)