其の67 2022年1月

 明けましておめでとうございます。
 本年も、協力隊の活動への応援をよろしくお願いします。

 早いもので、中標津町に来てから8か月が経ちました。8か月間、さまざまな体験ができ、中標津町のことや周辺の町のことを少しずつ分かるようになってきました。そして、北海道での冬もはじめて体験します。今年の初雪をとても楽しみにしていましたが、雪が降り始めると大変寒い生活も始まるので、少し心配しています。

 年末年始、中標津町のみなさんは、暖かいお正月を迎えたでしょう。
 私は毎年、お正月に近づくと、すごくベトナムに帰りたいなと思うのですが、いまだに帰ることはできず、日本でのお正月は今年で5回目を迎えました。そこで、日本とベトナムのお正月の違いも分かりました。
 日本では新暦でお正月をお祝いしますが、ベトナムは旧暦でお正月(旧正月)をお祝いします。新暦の2月頃がベトナムの旧正月です。旧正月はテトと呼ばれています。
○年越しの事前準備
 テトは3日間ですが、テトの前後を含めて1週間から10日間ほど連休に入ります。
その1週間前からお正月に向けての雰囲気が高まり始めます。商店のほかに花市や花屋など、町中にお正月に向けた商品が販売され始めて賑わいます。
 日本のお店では、年末の30日まで働いて、ほぼ2日だけ休みを取っているようです。ベトナムには新年を迎えるために大掃除し、食材をたくさん買い込んで、料理を用意し、お墓を掃除し、桃の花やキンカン、菊を自宅の玄関で飾ります。
○大晦日の夜
 ベトナムでは先祖にお供え物をして線香を焚きます。24時になったら、全国各町の中心広場で打ち上げ花火が15分ほど打ち上げられます。
 そして、家の中で年に1回だけ放送される「タオ クアン」(大晦日に放送される風刺コメディ番組)を見ながら、家族と過ごす人もいれば、外でカウントダウンをして、花火を見て過ごす人もいます。
 日本に来て、最初のお正月に、私は横浜のみなとみらいで打ち上げ花火を待っ
ていましたが、いくら待っても何もありませんでした。そこから、日本はお正月に花火を打ち上げないことを知りました。
○元日
 ベトナムでは初めての来客者(ソング ダッという)が新年の幸運に影響を与えると考えられています。そのため、縁起がいいとされる干支や年齢が家主と合う年の人をあらかじめ選んで、自宅に訪ねることをお願いする人が多いです。
 また、日本と同じように祖父母の家を訪問し、新年をお祝いしたり、一緒に食事したりします。日本でびっくりしたことは町に出かける人が少なくなっていても、お店やスーパーなどは通常通り営業していることです。
 2日、3日は先生、友達、近所の家を訪問し、お寺や神社で健康や幸運をお祈りします。
○料理
 日本のお節料理はお雑煮、数の子などですね。ほかには、お蕎麦を食べる習慣もあると聞きました。ベトナムでは、ちまき(バインチュン)という伝統的な料理を食べます。ほかにもベトナム風ハム、らっきょ、ベトナム風揚げ春巻きなどがあります。
○テトですべきでないこと
 元日に床をほうきで掃くこととゴミを出すことです。床をほうきで掃くこととゴミを出すことは新年の幸運も一緒に追い出してしまうと考えられています。
 ベトナム人にとって、テトは1年中で最も大切な祝日です。遠方で働いたり、学校に通っていたりする家族が帰省して、みんなで新年を迎えることで、旧年の悪いことを忘れて、心が温かくなるという意味があります。
 日本のお正月はどんな意味がありますか。教えていただければうれしいです。
中標津町地域おこし協力隊 レ ティ ルエン